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オープンソースのための金銭的支援についてのガイドブック

"オープンソースの仕事はしているけれど、どうやって資金を捻出したらいいんだろう?"

オープンソースに対する仕事で報酬を得るための方法すべてを、私が知る限り列挙します。だいたい金額の小さい方から大きい方に並んでいます。それぞれのファンディングカテゴリーはいくつかの実例にリンクしています。(もし可能なら、ホームページではなく有用な記事やページにリンクしています)

カテゴリーは排他的ではありません。たとえば、あるプロジェクトは基金モデルを採用しながら、お金をもっと集めるためにクラウドファンディングも利用しているかもしれません。他の人はコンサルティングをしながら寄付ボタンを使っているかもしれません。このガイドの目的は報酬を得る方法の完全なリストを提供することであり、そうすればあなたにとって一番いいものを見つけることができるでしょう。


目次

  1. 寄付ボタン
  2. 助成金
  3. クラウドファンディング (売り切り)
  4. クラウドファンディング (定期課金)
  5. 書籍とグッズ
  6. 広告とスポンサー
  7. プロジェクトの仕事をするために企業に雇われる
  8. 現在雇われている企業でプロジェクトを開始する
  9. 助成金
  10. コンサルティングとサービス
  11. SaaS
  12. フリーミアムライセンス
  13. デュアルライセンス
  14. オープンコア
  15. 基金とコンソーシアム
  16. ベンチャーキャピタル

補遺: このガイドへの貢献 // ライセンスと帰属
翻訳: 原文(英語) // 繁體中文 // 簡體中文 // イタリア語

"個人的な努力" という但し書きは資金獲得の努力がプロジェクトではなく個人によってなされていることを意味します

寄付ボタン

サイトに寄付ボタンをつける。StripeとPayPalは寄付を受け付けるためのサービスとしての代表例。

良い点

悪い点

ケーススタディ

賞金

ときどきプロジェクトや企業がオープンソースワークに報奨金を投じる(例: "このバグを直して$100を受け取ろう")。以下にあげるリストに報奨金の授受を簡単にするWebサイトを紹介している。

良い点

悪い点

ケーススタディ

クラウドファンディング(売り切り)

目下進行中のプロジェクトにではなく、実装したい特定のアイデアがあるなら、売り切りのクラウドファンディングは必要な資金を集めるのに適している。個人および企業があなたのキャンペーンに寄付したいと思うかもしれない。

良い点

悪い点

ケーススタディ

クラウドファンティング(定期課金)

もし目下進行中のプロジェクトに資金が必要なら、定期課金のクラウドファンディングキャンペーンを設定することができる。毎月または毎年の資金が確約され、ユーザーが解除しない限りはずっと続く。あなたのプロジェクトを何度も使っている人(個人および法人)が資金提供に応じるかもしれない。

良い点

悪い点

ケーススタディ

書籍とグッズ

もしあなたが他の人が学びたいと思うような特定領域の専門家であれば、書籍を執筆して売ることができる。O'Reillyのような出版社を見つけるか、自己出版するか。本を売るのに加え、いくつかのプロジェクトは仕事の足しにグッズ(シャツやパーカ)を売っている。

良い点

悪い点

ケーススタディ

広告とスポンサー

あなたのプロジェクトに注目する人が多くいるなら、その人たちにリーチしたい広告主にスポンサーシップを売ることができる。おそらくは限られたターゲットの人たち(例: あなたがPyhonのプロジェクトを持っているなら、その人たちはPythonに技術的に詳しい人だと仮定できる)なので、それをアドバンテージとすることができる。

良い点

悪い点

ケーススタディ

プロジェクトの仕事をするために企業に雇われる

企業はときどきオープンソースの仕事をさせるために人を雇う。あなたがやりたいプロジェクトを利用している企業を見つけよう。分配されることもよくある(例: 50%が会社の仕事、50%がオープンソースの仕事)。もしくは、新しいプロジェクトのアイデアがある場合、あなたが作るものに興味を持ちそうな企業を見つけよう。この場合、実演できるものがあると役に立つだろう。

良い点

悪い点

ケーススタディ

現在雇われている企業でプロジェクトを開始する

多くのオープンソースプロジェクトは被用者のサイドプロジェクトとして始まる。プロジェクトはその企業規模を超えた突然の成長をするかもしれないが、サイドプロジェクトとして始めるのはそのアイデアを試す意味でよい試みだ。

*この道を選ぶ場合、あなたは自分の会社のオープンソースポリシーについて理解しておく必要がある。いくつかの企業は従業員が業務時間にオープンソースに貢献することを奨励している。またある企業はあなたの成果を会社のプロジェクトとして扱うだろう。なにごとも思い込むのではなく、始める前に会社の人に尋ねてみよう。

良い点

悪い点

ケーススタディ

助成金

助成金は事実上、返済の義務のない巨額の寄付である。しばしば慈善団体はあなたに助成金を与えることで他のメリットを得る。あなたに近づくことや、インパクトを見せつけたり、あなたの成果について調査したり、節税をしたり。

助成金は様々な場所から来る。企業はもちろんのこと、ソフトウェア財団、慈善団体、そして政府など。助成金の専門的または法的な意味は、それがどこからきたのかによって大きく異なる。たとえば、ある企業があなたに「助成金」を与えても、それをコンサルティング料金と考えているかもしれない。慈善団体は非営利団体にしか寄付できないので、あなたは自らが非営利になるか、(よくある例としては)あなたをサポートしてくれる非営利団体を探さなくてはならない。もしあなたが助成金に詳しくなければ、それがどんな仕組みか理解するのに最良の方法として、それを受け取ったことがある人に話を聞くことだ。助成金を受け取ったことのある例として、下にそのリストを挙げる。

良い点

悪い点

ケーススタディ

コンサルティングとサービス

コンサルティングはオープンソースの資金を捻出するための柔軟な方法だ。自分の思う通りに時間を捻出する自由がある(たとえば、週に30時間コンサルティングをして、10時間をオープンソースに費やす)。コンサルタントの時間給は給料をもらう会社員よりも高い。身分が安定しない、福利厚生がない、などの理由による。もしこの種の労働を定期的にするのであれば、合同会社を設立したくなるかもしれない(米国以外の場合は同等のもの)。

もしあなたのプロジェクトが人気のあるものなら、プロジェクト自体に関わるコンサルティングやサービスを提供できる。たとえば、クライアントはそのプロジェクトを実装することに対してお金を払うかもしれないし、カスタムの何かを構築したり、利用方法を教えることなども同様。

良い点

悪い点

ケーススタディ

SaaS

SaaSとはSoftware as a Serviceを意味する。このモデルではコードベースそれ自体はオープンソースだが、プロジェクトを利用するために追加の有料サービスを提供できる。よくある有料の例はホスティングへの課金である。

良い点

悪い点

ケーススタディ

フリーミアムライセンス

"フリーミアム"ライセンスはオープンソースではない。というのも、オープンソースライセンスに要求される自由を同時に満たすことができないからだ(例:ソースコードは自由に見ることができ、再配布および修正の自由がある)。それでもオープンソースの仕事には間接的に関わっている。

フリーミアムライセンスはオープンソースにおけるいくつかの自由を商業的な用語に制限する。たとえば、ソースコードを参照することは可能だが、そのコードを利用するにはコマーシャルライセンスを必要とする。

良い点

悪い点

ケーススタディ

デュアルライセンス

ときおり、プロジェクトはまったく同じコードベースに二つの異なるライセンスを提供することがある。一つは商売に向いたもので、もう一つはそれほどでもない(例・GPL)。後者は利用者が自由に使えるためものもので、企業は法的な平安を得るために商業ライセンスを購入する。

良い点

悪い点

ケーススタディ

オープンコア

オープンコアモデルでは幾つかの面でプロジェクトは自由だが、その他の機能はプロプライエタリであり、購入者だけが利用できる。通常、このモデルはプロジェクトに大企業の需要があるときだけ機能する。

良い点

悪い点

ケーススタディ

基金とコンソーシアム

基金とは寄付の受け入れおよび支払いが可能な法人である。なぜなら、その目的は利益を生むことではなく、素晴らしく中立にプロジェクトを管理することにある。合衆国においては501(c)(3) (nonprofit) または 501(c)(6) (trade consortium)である。多くのソフトウェア基金は501(c)(6)である。というのも、501(c)(3)はチャリティ目的を掲げる必要があり、それはソフトウェアにとってしばしば困難なことだからだ。

良い点

悪い点

ケーススタディ

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキヤピタルは大きな成長が見込めるビジネスにおける資金集めの一形態である。銀行ローンやその他の融資とは異なり、ベンチャーキャピタルは資金提供の見返りとして企業資産(あなたのビジネスにおける所有権)を要求する。トレードオフとなるのは、ローンを組む場合と異なり、ビジネスが失敗した場合でも債権者にお金を返す必要はない。しかしながら、もし成功したら、出資者に数倍の資産を返すことになる。

ベンチャーキャピタルは「ハイリスク・ハイリターン」である。ベンチャーキャピタルは、そう、たとえば銀行よりもはるかにリスクに寛容だが、成功したときの見返りに多大な期待を寄せている。ベンチャーキャピタルをあてにするのならば、株式会社を設立しなければならないし、できればデラウェア州でなければならない。ベンチャーキャピタルのプロセスに詳しくないなら、ベンチャー立ち上げに成功した起業家に接触することからはじめるのがよいだろう。

良い点

悪い点

ケーススタディ


このガイドへの貢献

私は自分の知識を頭の中から出して整理するためにこのガイドを書きましたが、大きな変更や執筆を行う予定はありません。良い点・悪い点がいくらか主観的であることはわかっていますが、私の考えを反映したものであはります。

なにかが事実と異なっている(とくにケーススタディの例)場合は、編集してください。もちろん、私が見通していたカテゴリーがあるなら、喜んで追加します。

ライセンスと帰属

このガイドはクリエイティブコモンズ CC0 において利用できます。つまり、あなたはいかなる理由においてもこの文書を利用でき、商用・非商用を問いませんし、クレジットも必要ありません(パブリックドメイン)。もし使ったら、教えてくれると嬉しいです!(私のアカウント: @nayafia)でも、そうしなければいけないというわけでもありません。